ファムトリップに少し懐疑的です

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今朝の静岡新聞の記事です。
清水港に近い総合病院が「医療ツーリズム」に力を入れていきたいということで、市の補助事業を活用し、海外の関係者を招いてファムトリップを実施したという内容でした。
医療ツーリズム自体はとても良い取り組みだと思います。
静岡は気候もいいし、立地もいいから、滞在型の健康・医療体験には向いていると思います。ぜひうまくいってほしいと心から思います。


僕自身も1年前に似たようなことをやりました
実は、弊社でも1年ほど前にベトナムの旅行会社数社に対して、静岡徳洲会病院での「人間ドック」や「PET検診」を組み合わせた医療ツアーの企画を提案したことがあります。
結果は――なかなか厳しい反応でした。

さらに今回の新聞記事にあるような「クルーズ客」をターゲットにするとなると、滞在時間が5〜6時間程度しかないので、この短時間で医療体験を行うのは、現実的にはかなりハードルが高いと感じます。


ファムトリップ
こうした海外の旅行会社や有名インフルエンサーを招いて、体験してもらう――これを「ファムトリップ(Fam Trip)」と呼びます。
「FAM」は「Familiarization(慣れ親しむ)」の略で、観光地の売り込みにはよく使われる手法です。
行政の補助金を使って実施されることがほとんです。
ただ、僕はこの「ファムトリップ」という仕組みに、少し懐疑的です。


その理由は、効果がはっきり公表されていないケースが多いからです。
たとえば、
・招聘した旅行会社がその後1年以内に何人送客したのか
・売上がどのくらい増えたのか
・地域の宿泊施設や飲食店にどの程度お金が落ちたのか
そういった「成果データ」がほとんど出てこないのです。

もちろん、PR効果やネット上での露出はあるでしょう。
でも、それが実際の来訪や売上にどれだけつながっているのか。
正直なところ、静岡で「ファムトリップのおかげで儲かった」という話はあまり聞いたことがありません。


誰が本当に得をしているのか
ファムトリップを請け負う東京や大阪の企画会社、あるいは呼ばれたインフルエンサーが潤っているだけでは?と感じることもあります。
補助金を活用して「企画をやること」が目的になってないか。


静岡には静岡の戦い方がある
だからといって、「ファムトリップをやめろ」と言いたいわけではありません。うまくやれば、きっと効果的なプロモーションにもなると思います。

ただ、東京や大阪、京都と同じことをしても意味がないというのが僕の考えです。
なにが当たるのか正直僕にもわからないのですが、やはり小手先のものでなく「本物」が求められると思っています。
静岡にしかない、それこそ歴史やドラマが何枚ものかっているような「本物」。
それを一生懸命みつけて、地道に企画し、ダメなら別の企画を作って、それを発信し続けていく、そんなキーパーソン的な人に予算が付く仕組みでも面白いかなと思っています。

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