団体旅行の手配の話④|航空券と海外


今回は第四弾として「航空券と海外手配」についてお話しします。


団体航空券の現実
団体旅行の中でも、最も難しい手配のひとつが「航空券(AIR)」です。かつては航空会社が団体枠をある程度用意してくれていましたが、最近はその扱いがどんどん厳しくなってきています。理由は単純で、団体枠はリスクが大きいからです。
団体航空券と個人航空券(個札)には、次のような大きな違いがあります。

  • 団体航空券
     大人数のブロックで席を押さえる。発券の数日前までに参加者の名前を提出(ネームイン)すればよい。人数変更もノーチャージで可能。
  • 個人航空券
     予約時に正式な名前が必要。さらに、3日以内に入金しないと自動的にキャンセルになってしまう。

一見すると団体航空券の方が航空会社にはいいように思えますが、実際はそう単純ではありません。
例えばFDA(フジドリームエアラインズ)では、半年先の20名分の団体席を確保しようとすると、その時点で販売されている個札よりもかなり高くなることがよくあります。お客様がWEBで見れば13,000円程度で売られているのに、団体枠では20,000円近くする、なんてこともあり、見積を提出するときに説明するのが大変だったりします。
なぜこうなるかというと、団体枠は「売れ残りリスク」を航空会社が背負うことになるからです。出発直前まで名前変更や人数調整ができる分、航空会社にとっては最後まで確定しない“読めない枠”になってしまいます。そのため、団体航空券は条件がどんどん厳しくなり、価格的にもお得感が少なくなってきているのが現状です。


実際の事例:東南アジア25名団体の場合
先日、東南アジアへ25名を送る団体AIRを手配しました。このときの条件は次のようなものでした。

  • 93日前・63日前・48日前に「集客チェック」が入り、人数確認を行う
  • 30日前にネームイン(名前提出)、以降の変更は不可
  • 20日前に発券

これだけの管理をしても、結果的に個札より若干高いというのが現実です。つまり「団体だから安い」とは限らない時代になっています。


海外手配について
次に、海外旅行=アウトバウンドの手配についてです。
正直に言えば、個人旅行自分でできる人は自分でやるのが一番良いと思っています。昔は「旅行会社を通した方が安い」という時代もありましたが、今はインターネットでの直販が当たり前になり、そういうメリットは減っています。
人が介在すればどうしても手数料が上乗せされ、割高になるからです。
実際にお客様から「航空券」の問い合わせをいただくこともあります。そんなとき私はまず感謝を伝えた上で、私を通すと高くなってしまうことを説明し、どこのサイトで買うのが一番良いかをアドバイスしちゃってます。


それでも旅行会社が必要な場面
では旅行会社に頼む意味はどこにあるのでしょうか。
私が「これは旅行会社に任せた方がいい」と思うのは、次のようなケースです。

  1. 多少高くても手配してほしい場合
     高齢の方やパソコン操作が苦手な方など、自分で予約するのが難しい場合。
  2. グループの場合
     ある程度の人数を超えると個人手配では手配が難しくなります。要は「幹事さんの負担が重たい」です。名前を1文字間違えただけで搭乗できないこともありますし、予約ミスがあった場合のリカバリが大変です。肌感覚ですが8名くらい、それ以上になってくると手配が煩雑になり幹事さんがめちゃくちゃ苦労するのではないかと思います。
  3. 現地でガイドや追加手配が必要な場合
     ホテルや航空券だけでなく、現地観光や送迎も必要になるケースです。弊社は海外200社以上の現地旅行会社と直接やり取りできるので、こうしたときには強みを発揮できます。

最近の変化
弊社はこれまでインバウンドに力を入れてきましたが、インバウンド担当スタッフを採用してからは、アウトバウンドでも現地代理店と直接やり取りできるようになりました。メジャーリーグのチケットやテニスの世界大会(ウィンブルドンみたいな)のチケット手配なんかもできるコネクションができたりして、これはここ数年での大きな進化だと思います。



団体旅行のAIR手配は「団体だから安い」という時代ではなくなり、むしろ条件は厳しくなっています、なので旅行会社も、なんでも取り扱うのではなく、お客さんのために手配したほうがいい、しないほうがいいのかをはっきり説明する姿勢が必要だと思っています。

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