僕の尊敬する方がよく使う言葉に「芯食ってない」というのがあります。
野球とかで「バットの芯を食う」という感じで使う言葉です。
「芯食ってない」は、的を外している、ピントが合っていない、つまり“本質からズレている”という意味です。
僕は この表現がとても好きで、自分でもよく使っています。
最近あった「芯食ってない」話
先日、とある業者さんに見積もりをお願いしました。
こちらの希望は「まずは10万円くらい・・・」。
正直、現実的に厳しいかもしれないのはわかっていました。
ただ、最初に「目標10万円」という前提を伝えたうえで、
「どの程度までなら現実的にできるのか」を知りたかった。
出てきた見積もりは20万円。
「倍くらいか」と思いながらも、一般的にこのくらいならと予想して、形や仕様を変えて15万円くらいで提案できないかとお願いしたら、
「1割お値引きで18万円になります」との返事。
……いや、そういうことじゃないんですよね。
値引きの話をしたいんじゃなくて、
“10万円では無理でも、15万円ならこうすれば可能”という提案が欲しかった。
結局、自分で見積もりを細かく見て、
「この部分を削ったらどうですか？」と、こちらから指摘して、
結果15万円の見積もりが出てきました。
「安くして」ではなく「提案して」
このやりとりの中で僕は「この人、芯を食ってないなぁ」と感じました。
こちらが求めているのは単純な値引きではなく、
“その予算でできる提案”です。
できないならできないとはっきり言ってもらって構わないです。
「あなたの望んでいるものはその金額ではできません」と、
プロとしての言葉が聞きたいと思っていました。
“芯食ってる”仕事とは
仕事の本質は「相手の目的を理解すること」だと思っています。
値段交渉に見えても、相手が本当に求めているのは“安さ”ではなく“納得”かもしれない。
わたしの仕事も同じで、 「安いプランをください」と言われても、
お客様が本当に求めているのは「時間を有効に使えること」だったり、
「安心して任せられるサポート」だったりすることがあります。
だから安いプランを提案しつつも、別の選択肢も提案させてもらいます。
この「芯食ってない」という言葉、
ちょっと厳しめに聞こえるかもしれませんが、
裏を返せば「芯を食う提案ができる人」への憧れの裏返しでもあります。
自分への戒めとして、書いてみましたー。
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