無人フロントのホテルが増えました

中央観光トラベルの加藤です。
今日は、先日札幌で宿泊したホテルで体験した「無人フロント化」の流れについて書いてみたいと思います。


無人化が進むフロント業務

札幌で宿泊したホテルは、フロントが完全に無人でした。
(呼び出しボタンを推すと、建物の奥の方から出てくるみたいですが)
入口を入るとすぐにタブレットが置いてありまして、画面操作で名前や予約番号を入力、支払いまで済ませて写真のような画面が表示される。部屋まで行って扉にあるパネルに暗証番号を入力して入室するパターンです。チェックアウトはノートみたいなのにサインだけでした。人と一言も話さずに滞在が完了する、そんな仕組みです。

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最近は比較的安価なビジネスホテルを中心に、このような「無人フロント型」が増えてます。
東横インやアパホテルも、フロントに人は配置されていても、実際のチェックイン・チェックアウトは自動チェックイン機で済ませる形が主流になっています。


それでも料金は決して安くないトップシーズン

面白いのは「無人化=格安」では必ずしもない、ということです。
私が泊まったのはトップシーズンの札幌。シングル素泊まりでなんと17,000円。以前ならこの価格帯なら、ビジネスホテルでもフロントにはスタッフがいて、荷物の預かりや観光情報の案内をしてくれるのが当たり前でした。

しかし今は、宿泊料金はシーズンに応じて高騰しつつも、サービスは合理化・省力化にシフトしています。人件費の高騰、深刻な人手不足を考えれば当然の流れですが、旅行者にとってはどうなんでしょう・・・。


団体旅行にとってのハードル

さらに大きな問題は、グループ宿泊を受け付けてくれないホテルが増えていることです。
無人フロント型のホテルは、基本的に「個人旅行」を前提に設計されています。チェックインの機械も、一度に一人ずつしか処理できません。私たち旅行会社が扱うような20名、30名の団体を一気に手続きするのは不可能に近い。
そのため、グループ客は「団体NG」とされるケースが増えています。
東横インやアパホテルなどでも、団体利用が難しいという声をよく聞きます。
結果として、修学旅行や社員旅行のような団体需要を担う旅行会社にとっては、宿泊先の選択肢がどんどん狭まっているのが現状です。


旅行業界にとっての課題

この流れは止められないと思います。観光業界全体で人材不足が続く中、ホテルは効率化に舵を切らざるを得ません。ただ、そのしわ寄せが「団体旅行」に来ていることを私たちは強く意識する必要があります。
旅行会社としてこんなことを意識しています、

  • 受け入れ可能な宿泊先の情報を常にアップデートしておく
  • グループ対応が可能な旅館や中堅ホテルとの関係を深めておく
  • 宿泊以外の付加価値(体験・食事・交通)で旅行全体を魅力的にする

    といった感じです。

無人フロントのホテルは、これからますます増えていくはずです。個人旅行客にとっては便利で効率的な仕組みですが、団体旅行を扱う私たちのような旅行会社には、新たな課題です。生き残るためには、こうした環境変化を前提に新しい企画や提案を考えていかなければと感じております。

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