最近、添乗していて感じること

ここのところ添乗で観光バスに乗る機会が続います。
その中で、バスドライバーとの関係性で、感じる“変化”があるので今日はそのあたりを。


ドライバーさん「時間」を気にしすぎてない?

観光バスの料金は「距離」と「時間」で決まります。
そして、1日に運転できる時間も法律で定められている。
だからこそ、ドライバーが時間を気にするのは当然のことです。

ただ最近、その“時間への意識”が極端になってきている気がする。

たとえば、前日に渋滞などで行けなかった観光地を2日目に回したい。
あるいは立ち寄り先の順番を少し入れ替えたい。
そんな柔軟な変更を相談すると、結構な確率で返ってくる言葉が

「それだと時間が厳しくなる」

もちろん、法律を守るのは絶対条件です。
でも実際には終わりの時間が変わらなければ問題ないケースも多い。
それでも「時間が厳しい」と言われるのは、
本当に難しいのか、それとも“面倒だから”なのか——正直、後者も少なくないと感じています。


東京観光での一日

先日、東京観光の添乗を担当しました。
東京は渋滞が多く、予定通りに進まないのは日常茶飯事。
だから、その場で行程を調整することが欠かせない。
その日もアレンジを入れようとしたが、
そのたびにドライバーから「それは厳しい」「このあとの時間がない」と返ってきて、それでもお願いしてアレンジして行程を進めました。
結果的に、最終的な終了時刻は予定より15分オーバー。
つまり、こちらの提案をすべて拒むほどの余裕のなさではなかった。
このような場面が増えている。

添乗員がいないバス旅行のときは、お客さんはドライバーの言うことを聞くしかなく、そんな局面がたくさんあるのではと想定しています。


「観光」なんで

 運行規制や法律の縛りが増え、
現場の空気が「安全第一」から「時間第一」に傾いているように感じる。
もちろん安全は最優先です。
でも、お客さんは“観光”に来ているという本来の目的を失ってしまっては、本末転倒のように思います。
旅行には、必ず「予定外」があります。
天気、渋滞、施設の混雑、トラブルのどれもが旅の一部です。
添乗員は、その場で最善を探し、調整しながら旅を形にしていきます。

バス旅行は運転手・ガイド・添乗員が協力して「いい旅」

私の経験上はっきり言えるのは
ドライバー・添乗員・ガイドの三者が協力することで、バス旅行は「いい旅」になります。
仕事を発注する側が旅行会社のためバス内の序列が添乗員>運転手>バスガイドの感じになりやすいですが、私はそんなことはなく3者はフラットで「いい旅」にするチームだと思っています。

尊敬する新潟のトラベルマスターズさんは、だからこそ自社バス・運転手、自社添乗員(ガイド兼)にこだわっています。

しかし今の現場では、
「自分の守備範囲を超えないように」という空気が強くなりすぎている気がしまして
「安全運転だけしていればいい」
「予定どおり走ればいい」
——そんな考え方が広がってしまうと、旅の魅力が薄れていってしまうように感じます。


旅行会社も無理な行程を作らないようにしないと

運転手のことばかり書いているけど、行程を作る側も無理のないルートを考えなければならない。
難しいのは「無理のない行程」=「内容が薄くなる」という現実です。
立ち寄り先が減るので、お客さんへの提案内容が弱くなりがちです。
あと、余裕を見過ぎて実際に行った時、時間が余り過ぎても、それはそれで問題だったりします。
このあたりは、企画の段階からよく考えて、お客さんともしっかりと打ち合わせをしていく必要があります。

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