「やることがないこと」が一番つらい


 先日、長期間にわたる大きなインバウンドの案件が無事終わり、その反省会も兼ねてスタッフと飲み会を開きました
「東京のホテルに着いたのはほぼ0時だったよー」とか
「早朝の渋滞にはまってさ、バスが出発時間に配車できなくて・・・イタリア人だから“大丈夫!ノープロブレム!”で笑ってくれたけど、日本人だったらヤバかった」などなど。
大変だったネタを肴に飲むお酒は、大いに盛り上がりました。

 そんな中、スタッフからこんな質問が出ました。
 「過去一番大変だった添乗って、どれですか?」
 
私は即答で
 「添乗の大変さはいくつもあるけど、ぶっちぎりでつらいのは “仕事がないこと” かなぁ」


添乗の現場には、いろんな「大変」があったりします。
 添乗員をやっていると、お客様がお酒を飲むシーンは本当に多いです。
 その結果、酔った勢いで絡まれたこともあります。
 (そう考えると、飲食店の皆さんは本当にすごいです。あれを毎日対応しているのは尊敬しかありません。)

 うちはあまりやっていませんでしたが、昔の激安ツアー全盛時代には、ツアー中の不満を添乗員やバスガイドにぶつけるために参加しているのでは?と思うような、クセの強いお客様もいたと聞きます。

 でも、どんなに大変な現場でも、
 それはしょせん「旅行中の出来事」なんです。
 行程が終われば、次の仕事があるし
 
 “求められている” という実感があります。


本当に一番つらかったのは、コロナの「空白」のとき
 これまで観光業をやってきた中で、心が折れそうになった瞬間は何度かありましたが
 でも、本当に一番つらかったのは、コロナ禍の “やることがない日々” です。
 電話は鳴らない。
 メールも来ない。
 問い合わせゼロ。
 売上ゼロ。
 予定表は真っ白。
 
やるべき仕事がないというのは、
 「期待されていない」
 「社会から必要とされていない」
 そんな現実を突きつけられているようで、かなりつらいです。
 そして出費だけが増えてくる現実・・・。

よく大きな組織の中には、「いかに楽に働くか」を考える人もいるかもしれません。でも、それは“仕事がある”前提の話。
 本当にやることがない状態は、楽どころか、むしろ精神的に最もきついです。
 よく「窓際に追い込む」みたいなのもその感覚だと思います。

 営業職でも。数字があがらないつらさもありますが、一番つらいのは「行く場所がない(営業先がない)」だったりします。

 “必要とされていない”という感覚は、人の心をこんなにも弱らせるのかと感じました。


今、仕事をいただけていることへの感謝
 だからこそ、今回のように大きなインバウンド案件をいただいて、
 大変だった話を肴にスタッフと笑いながらお酒を飲めるというのは、実はすごく幸せだなぁと感じました。
 渋滞があったり、移動が長引いたり、冷や汗をかくシーンもありますが、そんなエピソードを「ネタ」にできるのは、仕事があるおかげ。
 仕事があるから悩みもある。
 仕事があるから反省会もできるし、笑い話にもなる。
 お仕事がある今が、本当に感謝です。 

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